新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

大腸 12 大腸菌

大腸菌はよく知られた通性嫌気性の腸内細菌のひとつです。大腸菌というとO157や食中毒を起こす菌として人体にとって有害で、怖いイメージがありますが、大半は無害であり、私達の身体の中で、いろんな働きをしています。 無害な菌株は、腸内の正常な微生物叢…

大腸 11. ビフィズス菌

ビフィズス菌は一部のヨーグルトを作る際に使われる比較的馴染みのある細菌です。 ビフィズス菌は私達の腸の中にもたくさん生息しています。 ビフィズス菌はよく善玉菌と言われていますが その具体的な働きについてはよくわからないことも少なくありません。…

大腸 10 ファーミキューテス門とバクテロイデス門

あまり聞きなれない名前ですが、ファーミキューテス門とバクテロイデス門は腸内細菌の二大勢力を占める細菌のグループです。 昨今、このバランスが崩れると肥満になりやすいと言うことが言われていますが、実際、これらの中にはどんな菌がいるのか調べてみま…

https://www.brh.co.jp/publication/journal/059/research_21.html

大腸9.腸内細菌 種類 総論

ヒトの大腸の中には多種多様な細菌が何百兆も常在しており、それらはバランスを保って生息しており、年齢や腸内の環境によってその内容が変化しています (腸内細菌叢) その種類は生後乳幼児期より、増殖する偏性嫌気性菌のビフィズス菌や一般的な大腸菌や腸…

大腸 8.腸内細菌を育む

大腸の中には無数の細菌たちが生息しています。その数は何百兆と言われています。 消化管の中(と言っても体内ではなく、腸管内ですが)でこれほどの数の細菌がいる場所はありません。 大腸の中は温度や湿度や酸素濃度、また栄養分など、細菌にとっては非常に…

大腸7.大腸の運動

消化管は、じっとしている土管ではなく、絶えまなく動いている管腔臓器です。 胃はリズムを持って、ダイナミックに収縮運動をしているし、食べ物が入ると強く動き出し、その運動は自立神経の調節を受けています。 また小腸も同様に絶え間なく動き、同様の変…

ありがたさ

今回、私達の診療所の開業に際して、たくさんの方々から多大なる応援と暖かいお祝いを頂きました。 今回開業に至ることができたのもそのような方々の尽力のおかげであると改めて有難いと思いました。 そのような方々こそが私達にとって何よりも貴重な財産で…

より具体的によりわかりやすく

今日、高校時代の友人に診療所のパンフレットを渡したところ、検査や病気の名前が羅列されているだけで、何をしてくれる病院なのかわかりにくいと言われました 自分が責任を持って対応できる診療を書いたのですが、やはり医療を受ける人にとって理解しにくい…

大腸

胃カメラ検査 3. 挿入経路の選択について

胃カメラの挿入経路は 1.鼻から内視鏡を挿入する経鼻内視鏡検査と 2.口から挿入する経口内視鏡検査のふたつがあり、それぞれにいい点とよくない点があります。私達は患者さんの状態とニーズに合わせて挿入経路を選択しています。 その違いについては先ず ① …

胃カメラ検査 2. 目的と意義

胃カメラ検査をする目的は、食道、胃、十二指腸に潰瘍や腫瘍などの病気がないか観察したり、上部の消化管に出血が見られた場合、内視鏡検査下に止血したりする目的で行われます。

胃カメラ検査 1.総論

胃カメラは細いファイバースコープ(と言っても5〜9mmくらいの太さがありますが) を食道から胃、十二指腸まで挿入し、内腔をダイレクトに観察する検査です。 胃カメラは食道や胃や十二指腸の粘膜に炎症や潰瘍がないか?また何か腫瘍がないか?直接観察をした…

婦人科診療 1. 月経に関して

大腸 6. 働き② 便を作る

大腸の働き、それを一言で言えば便を作ると言うことではないでしょうか? 私達は、毎日口からいろんな食べ物や飲み物を摂取しています。 それらは上部の消化管において、消化、分解されて体内に吸収されます。 そして吸収されないものが大腸に流れてきます( …

大腸 5. 働き① 水分とミネラルの再吸収

一般的にヒトは一日6〜7lの消化液(唾液、胃液、胆汁、膵液など)を分泌し、食事や飲水などと合わせると一日8〜9lもの水分とミネラルが小腸に流入します。その内のほとんどが小腸で吸収され、1〜2lほどが大腸に流出されます (盲腸に食べ物の残渣が入ってくる時…

大腸4.大腸のリンパの流れ

体内の臓器には、血液が流れる血管とリンパ液が流れるリンパ管のふたつの流れる経路があります。 リンパ系には所々に免疫の関所となるリンパ節があり、そこには免疫系の細胞が存在して、異物や病原体に対して認識し応答するような働きをしています。 大腸に…

大腸3 大腸の神経支配

腸管は、その微妙な動きや働きに関して自立神経から支配を受けています (調整を受けています) 自立神経は、交感神経と副交感神経の二種類があります。 ザックリ言うと交感神経は消化管の動きや働きを止める作用があり、副交感神経は消化管の機能を亢進する作…

大腸2. 大腸の解剖

大腸は食べたものが通過する最後の消化管です。名称として、結腸(右の盲腸、虫垂、真ん中の横行結腸、左の下降結腸、曲がりくねったS状結腸)そして直腸に繋がります。 小腸よりやや太い管腔であり、壁は粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜に分けられます…

大腸1. プロローグ

これから大腸の病気についてお話をしていきたいと思います。 大腸は小腸から繋がるおよそ1mほどの管腔臓器です。 小腸から吸収されて、残った食べものと消化液が混ざって大腸に入ってきます(健康な状態でえれば、食べたものは胃や十二指腸や小腸で分解、消化…

肝臓 11 CT 検査について

肝臓の検査の続き 今回はCT検査です。 ご存知の方も多いと思いますがCT検査とは多方面から放射線を当てて、内部組織の透過度を分析して、断面の画像を作る検査です(放射線検査のひとつです) それにより、内臓や血管がどうなっているのか?腫瘍やできものがな…

coffee break 肥満はエコー検査の大敵

超音波検査は身体の中をチェックするために行う、簡便で、侵襲のほぼない非常に有用な検査ですが、いくつかの点で弱いところがあります。 超音波検査は高周波の音波を発信し、先に当たって返ってきた信号を画像にした検査です。 そのため途中に空気があると…

緊急提言 大腸がんの予防について

肺がんは喫煙、食道がんは飲酒、胃がんはピロリ菌感染、子宮頚がんはヒトパピローマウィルス感染との関連性が実証されています。 これらの生活習慣を改善したり、除菌治療をすることによって癌のリスクを軽減することができます。 (今日、組織の慢性炎症が癌…

coffee break 肝区域

これは少し、専門的なお話になってしまいますが、肝臓は解剖学的にいくつかの区域に分けられています。右葉と左葉からなり、左葉は更に外側区域と内側区域に分けられています。 さらにそれらを肝臓は門脈や肝動脈の血管の支配により、尾状葉を含む8つの亜区…

肝臓 10 肝臓エコー ④ 腫瘍性病変

肝臓のエコー検査で注意することは、肝臓の中にできもの?がないかチェックすることです。 先に述べましたが肝臓は血流の豊富な均一な実質臓器(肝臓の組織は幾何学的な構造)であり、肝臓内に何か腫瘍性の病変ができた場合、エコー検査で比較的に容易に検出す…

肝臓 9 エコー検査 ③ 肝血流測定

肝臓は血液が豊富に流れる臓器である。 前回もお話したが、肝臓に流入する血管は ①門脈: 消化管から流入する経路 栄養に富んでいる。肝臓に入ってくる血流のおよそ70%(600〜1000ml/min)一相性、食事をすると門脈の血流量は増加する ②肝動脈: 酸素を多く含む …

肝臓8 エコー検査② 肝臓全体を観察する

肝臓エコー検査のお話の続きです 私が行うエコー検査のポイントについてご紹介します。 先ずざっくりと肝臓全体を診ます。 肝臓は左葉、右葉の二つに分かれますが、 いくつかのポイントに当てて、肝臓の大きさや形、表面や辺縁の状態(ツルツルか?ザラザラか…

肝臓7 エコー検査 ① 総論

エコー検査(腹部超音波検査)は、簡便で、人体に侵襲のない非常に役に立つ検査です。 特に肝臓は血液の豊富な実質臓器であり、超音波検査でよく観察することができます。 超音波検査は魚群探知機と同じで、プローベから音波を発して、向こうにあるものから跳…

肝臓6 肝機能障害 ⑤ 血液検査⑷ アンモニア

肝臓においては様々な栄養代謝が行われているが、その中のタンパク質の元となるアミノ酸に含まれる窒素をより体内で害が少ない尿素に変えて尿として排出するように、尿素に関わる代謝経路が尿素サイクルと言われている。 私達は自分達が食べ物として取り入れ…

肝臓 5 肝機能障害 ④血液検査 ⑶ タンパク質合成

肝臓は私達の身体の中で大事な働きをしているいろんなタンパク質を作って作っている工場です。その工場が何かしらのダメージを受け、働かなくなるとこれらのタンパク質が作られなくなってしまいます。 特に血液検査をすると、代謝の早いタンパク質は低値を示…