肝臓 10 肝臓エコー ④ 腫瘍性病変
肝臓のエコー検査で注意することは、肝臓の中にできもの?がないかチェックすることです。
先に述べましたが肝臓は血流の豊富な均一な実質臓器(肝臓の組織は幾何学的な構造)であり、肝臓内に何か腫瘍性の病変ができた場合、エコー検査で比較的に容易に検出することができます (肝臓の組織と区別がつきにくいものもありますが)
肝臓の腫瘍は具体的に良性なものと悪性なものに分けられます。
良性なものの代表としては○ 血管腫が挙げられます。これは微小な血管が集まった腫瘍であり、成人の数%程度に見られ、小さくて変化がないものは治療の必要がありません。
その他、良性の肝細胞腺腫や脂肪腫や繊維腫などがありますが、その頻度は高くありません。
また悪性腫瘍としては
○肝細胞癌 これはいきなり肝臓にできるものではなく、その背景に肝臓の慢性炎症や肝硬変があることが伺われます。そしてもう一つが
○転移性肝腫瘍です。
これは肝臓が非常に血流が多いため、その血流に乗って、他の臓器で発生した癌が肝臓に転移することによってできた腫瘍です。
いろんな原発巣がありますが、門脈経路から来る消化器系の腫瘍の可能性が高く伺われます。
こう言った肝臓腫瘍はエコー検査で、どんなものが、どこにできているのか?(血管との位置関係)を判定します。
これらの肝臓腫瘍はエコーの検査によって、概ね、見当を付けて行きますが、分からない場合は造影CT検査やMRI検査などによって、精密検査をします。