新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

肝臓 9 エコー検査 ③ 肝血流測定

肝臓は血液が豊富に流れる臓器である。

前回もお話したが、肝臓に流入する血管は

①門脈: 消化管から流入する経路 栄養に富んでいる。肝臓に入ってくる血流のおよそ70%(600〜1000ml/min)一相性、食事をすると門脈の血流量は増加する

②肝動脈: 酸素を多く含む 肝臓に入ってくる血流量のおよそ30%(200〜300ml/min) 拍動性

の二つである。これらが調整し合って肝臓内に血液が流入する (肝臓のキャパは決まっているので、門脈と動脈の圧により、流入量が決まるのであろう)

*肝硬変などの病気になると肝臓の組織が硬くなり、血流の抵抗が上昇する (門脈圧亢進症)

そうなると肝血流は圧の強い肝動脈が優位になる。

そして肝臓から流出する血管は肝静脈ひとつである。肝静脈は下大静脈に合流し、呼吸などによる圧の変動を受けている(三相性)

肝臓は入ってくる血液と、出て行く血液の量が常に同じであり、何かしらの抵抗で肝静脈の圧が上昇すると肝臓は鬱血する。

このように、肝臓の中は常に弛まない血液が流れていて、絶妙なバランスを保っている。

超音波検査においては肝臓に出入りする血管の血流量を測定することができる。

もし肝臓内の組織に何か大きなトラブルがある場合にはこの血行動態も変化し、異常を感知する。