新宿NSビルスカイクリニック

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大腸2. 大腸の解剖

大腸は食べたものが通過する最後の消化管です。名称として、結腸(右の盲腸、虫垂、真ん中の横行結腸、左の下降結腸、曲がりくねったS状結腸)そして直腸に繋がります。

小腸よりやや太い管腔であり、壁は粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜に分けられます。

右の半分は小腸と同じ上腸間膜動脈から血流を受けていて(真ん中の横行結腸で変わります)

左半分からS状結腸は下腸間膜動脈、そして直腸は直腸動脈からの血流を受けています。

(小骨盤腔は直腸間膜の中にある血管の支配を受けています)

この血流支配の違いは、血流に何かトラブルがあった時の腸のダメージに現れ、また大腸に癌ができた場合、手術において、どの血管を処理するのか?またリンパの流れは動脈に沿ってあるため、リンパ節廓清を考えるポイントになります。

おおまかに言って右半分と左半分は血流支配も違い、右半分は左より多くの血流を受けています。

また血液が帰る静脈系は盲腸から直腸の一部まで、上腸間膜静脈と下腸間膜静脈に入り、門脈に合流し、肝臓に向かいます (大腸で行われた処理の結果出てきた血液は肝臓に入り処理されます) 腸管は元々は腸間膜に囲まれて真っ直ぐだった管腔が回転して、固定されています。

そのためここで変わった血管が見られます。

腸管の発生の機序でできたHenleの静脈幹です。この血管は横行結腸から血流を受ける中結腸静脈と胃からの血流を受ける右胃静脈が合流して門脈に入る血管です。胃と大腸からの血液が混ざって門脈に合流するなんて何か不思議な感じがします。

上行結腸や下降結腸は特に後壁に固定されていて、横行結腸やS状結腸は比較的ぶらぶらしていますが、周囲の臓器との癒着賀見られます。

このため、真っ直ぐな内視鏡が挿入しにくい場合が見られるのです。

https://home.hiroshima-u.ac.jp/home2ge/digestive/intest/intestine.php

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