新宿NSビルスカイクリニック

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肝臓 11 CT 検査について

肝臓の検査の続き 今回はCT検査です。

ご存知の方も多いと思いますがCT検査とは多方面から放射線を当てて、内部組織の透過度を分析して、断面の画像を作る検査です(放射線検査のひとつです)

それにより、内臓や血管がどうなっているのか?腫瘍やできものがないか?調べることができる有用な検査なのですが、この検査をする上においては、その検査の意義を知り、何を調べたいのか?しっかり吟味する必要があります。

また単純なCT検査に加えてヨードを含む造影剤を注射することによって、血管や、組織に造影剤が入りることによって、コントラストがつき、内部の状態を詳しく調べることができます。 (造影剤は一般的に静脈から注入しますが、注入してから撮影する時間によって、動脈相や門脈相や静脈相など、臓器、組織の染まり方が変わります)

肝臓においてCT検査をする目的としては、まず第一に肝臓腫瘍の精査が挙げられます。

どこに、どんな腫瘍があるのか?

一般的に肝臓にできる肝細胞癌は血管の豊富な腫瘍であるので、早い時期(動脈相)から造影効果が高く、また転移性肝腫瘍は乏血管性なので造影効果が低くなります。

またその他の良性腫瘍の鑑別診断にも使われます。

*昔、個人的にはわかりにくい肝腫瘍を調べるために、肝動脈にカテーテルを留置し、血管造影をしながらCTを撮影するAngio CTで肝臓の腫瘍を描出したことがあります。

またその他にも、CT検査により、肝臓の性状を調べたり(肝臓のボリューム測定や肝硬変の有無、脂肪肝の状態など)門脈経路を描出することにより、肝硬変の時の側副血行路を描出することもできます。