逆流性食道炎 ⑧ 逆流性食道炎が酷くなると 〜 短食道
皆さんは短食道 short esophagusという病気を聞いたことがありますか?
これは食道裂孔ヘルニア&逆流性食道炎が慢性的に悪化してしまった状態と言えます。
逆流性食道炎が悪化して粘膜下まで、炎症が波及して下部食道が狭窄したり、食道自体かshrinkしてしまい食道自体が短くなってしまった状態のことを言います。
このようになると、食道の内腔は狭くなって食べ物が通過できなくなってしまいます。
このような場合、内視鏡下でバルーンを用いて圧をかけ拡張するのですが、食道壁がゴムのように硬くなってしまい、バルーン拡張をしてもまたすぐに元のように再狭窄を繰り返してしまいます。
私も今まで、食道狭窄を繰り返す厳しい短食道の症例を2例経験しました。
この2例の場合、薬物療法や内視鏡下バルーン拡張術が厳しいため、検討を重ね外科的手術を選択しました(術式は食道抜去&胃管挙上吻合術)
患者さんの術後経過は良好で経口摂取ができるようになりましたが、やはりこうなってしまうと大変ということを強く感じた記憶があります