新宿NSビルスカイクリニック

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風邪を考える 風邪の病態について

このストーリーはあくまで、私の個人的推論が多く含まれていますが、風邪の病態について考えてみました。

風邪の症状は体内に入った風邪ウィルスによって引き起こされる生体の応答反応によるものではないかと考えています。

ウィルスは飛沫や糞口経路にて体内に侵入します。風邪の場合、特に気道の粘膜細胞内に侵入し、その後、ウィルスは活動し、自己増殖するようになって身体にとっては異物となるタンパク質を作り出すようになります。

それに対して生体は外界から入った異物を認識して免疫応答が起きます。

抗原を単球系の細胞が抗原処理をした後、細胞表面に提示し、それをT細胞リンパ球が認識し、B細胞リンパ球が抗体を産生します。

またこのような典型的なウィルスを除去する経路だけではなく、初期にはナチュラルキラー細胞なども関与していると思われます。

この免疫応答がしっかりと働くことで体内に入ったウィルスを排除されると考えています (ウィルスが完全に体内から除去されるのかどうかは不明ですが)

そしてこの過程でおきる生体の炎症や免疫反応が、風邪の症状を引き起こしていると考えています。

いろんな炎症、免疫細胞から出たサイトカインが鼻腔や咽頭を刺激し、くしゃみが出たり、粘液や浸出物が増えて鼻汁がでたり、気道粘膜に炎症を起こして咳が出たり、また全身にその免疫反応が及べば熱が上がったり、節々が痛くなったりすることにもなるでしょう。

風邪のウィルス自体には人体の細胞を次々に破壊するような強い力はないため、身体がこのようなウィルス除去作用が働けば、ウィルスは自然に排除され、炎症や免疫反応も収まって風邪も治ると言うストーリーです。

このストーリーが正解かどうかわかりませんが、やはり私達の人体の仕組みのことをより正しく理解して、風邪に対処するべきではないかと改めて思いました。

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