新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

胃潰瘍⑨ 薬物療法

これから胃潰瘍の治療についてお話をしていきたいと思います。

胃潰瘍が見つかった場合、基本治療を開始します (自然治癒することもあるかもしれませんが、増悪を危惧して)

治療の基本は薬物療法です。

今日医学が進歩し、いい薬が開発され使用できるようになりました。そのひとつが胃潰瘍の薬です。

その内容は○制酸剤 と○粘膜防御剤です。

特に制酸剤に関しては胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療薬として非常に優れています。

(前に書きましたが、胃潰瘍ができるのは攻撃因子である胃酸の分泌亢進が関与しているので胃酸の分泌を抑えることで胃潰瘍の進行を抑え治癒方向に向かわせることができます)

制酸剤はH2ブロッカー(ガスター、シメチジンなど)とPPI(タケキャブ、タケプロンパリエット、ネキシウムなど)の二種類あります。

これらの薬剤は多少の見合わせの問題がありますが、重篤な副作用は見られにくいものです。

また粘膜防御薬としては、アルロイドG、マーロックス、セルベックスムコスタなどがあります。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍に対してはこれらの薬を組み合わせて処方します。

またピロリ菌がいる場合は積極的に除菌療法を開始します(具体的内容後述)

ひと昔前、胃潰瘍の治療は大変だったと聞きました。これといった薬がないので、胃潰瘍の治療として今より外科手術が選択されていました。

しかし制酸剤の登場により、手術をせずに薬で胃潰瘍が治るようになりました (ピロリ菌除菌も有効)

繰り返し言いますが、胃潰瘍の治療ひとつ見ても、間違いなく医学の進化や医療の発展は私達の健康に寄与していることが分かります。

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