新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

胃潰瘍⑥ 症状

それでは胃潰瘍になるとどんな症状が出るのでしょうか?

胸焼け、お腹(上腹部)の痛み (胃潰瘍の場合は食後に、十二指腸潰瘍の場合は空腹時にお腹が痛くなることが見られます) 悪心、食欲不振などが見られます。また出血があると便が黒くなることもあるかもしれません (血液が参加して黒くなります) 

またもし胃潰瘍や十二指腸潰瘍が深くなると穿孔 (胃や十二指腸に孔が開く)して、腹膜炎を引き起こし激烈な痛みを起こします。

*このような場合、外科手術が検討されます。

外科手術は主に開腹洗浄ドレナージ術&穿孔部位閉鎖術(大網充填術)がなされます。孔が開いた場所は炎症で組織が脆弱であり、縫合することができません。因みに胃に付いている大網という脂肪組織は炎症のある場所に寄って行って周りに炎症が広がらないように保護する働きをします (人間の身体ってよくできてますよね)

症状や程度が軽い場合、胃管を挿入して胃液をドレナージして、絶飲食。薬物投与(制酸剤投与)するだけでも自然治癒することがわかってきました。

胃や十二指腸の中は細菌が少ないので、もし破れても細菌性腹膜炎にはならないので大腸の穿孔より危険性は高くありません。

しかし胃潰瘍による出血の場合、比較的太めの血管が破れると出血が止まらないので、大量の出血を起こしてしまい、命に関わることもあるので要注意です(止血術が必要になります)

でも意外に症状が全くない場合もありますから、もし胃潰瘍があっても自分では分からない場合もありますので、やはり定期的に検査やチェックが必要かもしれませんね。

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