サイトカインストーム
https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/4565
新型コロナウィルス感染症が怖いのは、インフルエンザウィルスや他の上気道炎を引き起こすウィルス感染症より高率に重症化を引き起こすからである。
重症化において問題となるのが、重症肺炎やサイトカインストーム(免疫の暴走状態)であると言われている。
それでは新型コロナウィルス感染症が重症化になった状態において体内でどのようなことが起きているのか?そのキーとなるサイトカインストームについて少し考えてみたいと思う。
いくつかの資料を読んでみると似たようなことが書かれている。
先ず新型コロナウィルスに感染すると
1.自然免疫の応答機構が抑制される
2.COVID19ウィルスが増殖し、肺胞上皮細胞が障害を受け、炎症を引き起こすカスケードが賦活化され、TNAαやインターロイキン6などのサイトカインが放出される。またウィルスがIL-6を発現する遺伝子経路を刺激して、IL-6産生が増加する(IL-6アンプ)
3.それが引き金となってサイトカインの反応が進み、全身(血中)に激しい炎症(サイトカインストーム)が生じる
サイトカインは生体における炎症や免疫応答においてなくてはならないものであるが、その反応の調整が効かなくなると体内でとんでもない問題を引き起こしてしまう。
しかしこの病気の難しいところは何がその引き金になっているのか?またそれを調べる検査がないと言うことである(何か予め、検査で予測できるものがあれば対応できるが、なってからはじめて分かることが多い)
それ故にこの病気においては、患者さんの注意深い観察と、その変化に応じてタイムリーな薬物治療の選択が必要であると思われた。