新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

胃潰瘍の時の食事

胃潰瘍になった時にはどのような食事をしたらいいのでしょうか?その食べ物について具体的にご紹介します。

そのキーはズバリ、消化しやすいもの。

また胃の中に長時間停滞せずに、胃酸分泌を促進しないような食べ物が望ましいと考えられ思ます。

また食べ方や調理法の工夫も有用です。しっかり噛んで丸呑みをしないこと。調理して柔らかくし、胃から比較的早く排出されやすくするのもいいでしょう。

また食べる量や時間にも注意してみる必要があります。

では具体的に

○ 先ずメニューに関しては

炭水化物で言うと お粥やおうどんなどは比較的胃からの排出も早く、消化吸収はいいと言われています。個人的には雑穀のお雑炊もおススメです。ただ炭水化物は比較的胃酸分泌を刺激するので取りすぎに注意しましょう。

またタンパク質は非常に大事な栄養素です。

卵や乳製品、鶏肉などはいいと思います。

脂質も身体にはなくてはならないエネルギー源 であり身体の組成成分なのですが、取りすぎると消化管から消化吸収されるまで時間がかかります。お腹の様子を見ながら、吸収されやすい良質な植物性オイル(中鎖脂肪酸が含まれるもの)を選ぶことが大切です。

後は食物繊維

野菜や海藻も身体に必要な食べ物です。

しかしその消化には確かに時間がかかります。(私的には野菜は胃酸分泌をそれほど刺激しないと思うのですが、胃からの排出に多少の時間がかかってしまいます)

それ故に比較的消化しやすいように、お野菜を煮たりして、柔らかくし、胃から排出しやすい工夫が要るかなと考えています。

[食品や料理が胃の中に留まる時間の目安]

* 胃内停留時間

1時間30分 : 半熟卵 2個
1時間45分 : りんご1/2個、水 300mL もも 1/2個、なし 1/2個 牛乳100mL、白がゆ 100g
2時間15分 米飯 100g、そうめん 2束

かつお(刺身) 100g、みかん 1個
2時間30分 もち2個、みそ汁200mL すいか 100g、生卵 2個
2時間45分 うどん 100g、米飯 150g

カステラ 100g、鯛(刺身) 100g
3時間 さつまいも(蒸し焼) 100g

さといも(煮) 100g
3時間15分 アイスクリーム 100g、ゆで卵 2個

米飯 200g
4時間15分 豚肉(すき焼き) 100g
12時間 バター 50g

○ 胃にやさしい食材

お粥、雑炊、おうどん、魚、卵、乳製品
鶏ささみ、豆腐、納豆(とくにひきわりがおすすめ)、野菜、果物 バナナ、りんご、カステラ、プリン

また胃潰瘍は治療(薬)に奏功して比較的早くよくなる病気です。極期の時は絶食になり、その後少しずつ重湯みたいなものから始めて少しずつ食事をアップするようにしてください。また香辛料、コーヒー、アルコール、炭酸飲料などの刺激物も、胃に負担がかかり胃酸過多を促すため気をつけましょう。

○ ~腹八分目に留意、食事を頻回に分けて摂ることもいいかもです~

1日に3回で摂ろうとして一度にたくさん食べると、弱っている胃に負担をかけてしまいます。また食事と食事の間があき過ぎて胃の中が空になると、痛みが生じることがあります。そのため1日4~5回に分けて少しづつ摂ることもいいでしょう

※ その方の体調や症状などで、適する食材や摂り方も異なりますので、ご自身の体の様子をみながら調整してみましょう。

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