新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

coffee break がんのリンパ節転移

がんは増殖し、進展すると、リンパ節や他臓器に飛び火(転移)が見られます。

そのメカニズムは未だ完全には解明されていないと思います (がん細胞が単独で、リンパ管や微小血管に侵入し、流れた先に着床し、転移が成立するのか?それ以外のストーリーがあるのか?)

その中でリンパ節転移は、病気の治療法や予後を図る大きな課題です。

私は以前からなぜ癌がリンパ節に転移していくのだろうと不思議に思っていました

リンパ節は体内に入った異物を免疫担当細胞が認識し、処理する働きがありますが、何故わざわざ癌と言う悪性のできものがリンパ管に侵入して、リンパ節に転移をしていくのか?

そもそも癌に対しても、それを認識し、排除する免疫機構が存在しています。その免疫の本拠地みたいなリンパ節に何故癌が忍び込み、増殖進展していくのか?その理由がわかりませんでした。

私にも正直、そのメカニズムについては詳しく分かりませんが、今までの研究や実診療を通して、その転移には癌細胞だけの性質ではなく、免疫や炎症や再生など自己のいろんな細胞との関わり(interaction) が関与しているように思われます。

ただ一つ分かることは全てのがんに共通することかもしれませんが、がんが広範囲にリンパ節に転移すると治療が難しくなると言うことです。

これは私個人の私見ですが、がんがリンパ節に転移して、次々に広がっていくと、その過程で免疫システムががんを自己と認めて攻撃しなくなる(免疫寛容)反応が生じているのではないかと考えています。

そうなると免疫担当細胞ががんを排除しようとせずにがんが更に全身に広がるのかもしれません。

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