新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

coffee break がんの浸潤と転移のメカニズム

なぜがんは単に増えて大きくなるだけではなく、広く、深く浸潤 (invation)したり、他臓器に転移(metastasis)をすることができるのでしょうか?

通常、臓器の中では理路整然と細胞が並んでいて組織を構築しています。

しかし癌はどんどん増えて大きくなり、周囲に忍び込んで行きます。

そのメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、私の見解では、体内臓器の中では絶え間なく細胞が動き、お互いにいろんな相互作用をしていることに起因しているからではないかと考えています。

私達の身体の中では細胞は常に一定しているわけではなく、細胞が分化したり、増殖したり、死滅したり、またそれらを処理する免疫細胞や組織を再生する再生細胞など絶え間なくダイナミックにinteraction(関わり合い) しています。

遺伝子の異常を来たした異常で活発な癌細胞が増殖し、周りの環境にトラブルを起こしていきます。

その結果、炎症や再生反応が起きて、その隙間を癌細胞が移動していき、浸潤したり、リンパや血液の流れに乗って癌が移動していくのではないかと想像しています

(ひとつの癌細胞がウヨウヨ動いていくものではないと思います)

すなわち固形がんの問題は癌細胞だけによるものではなく、身体の中のいろんな細胞や反応が関わり合ってできているのではないかと思うのです。

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