新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

生と死とは何か?

皆さんは生と死について、どれくらいのことを知っていますか?医療者の方々は身近に生や死を体感していると思われますが、何を持って生とするのか?どこを持って死とするのか?考えたことはありますか?

私が25年間医者として患者さん達の側にいて、間近で体感してきた経験から、皆さんに私が考える生と死のお話しをしたいと思います。

先ず生きているとはどのような状態を言うのでしょうか?これを表す言葉が動的平衡です。

生き物は常に自分を保持しながら外界と絶えず物質のやり取りをしています。

私達は普段、呼吸をして空気を出し入れしたり、食べものや飲みものを食べて飲んで、体内でいろんな代謝を行いながら不要な物質を体外に排泄しています。

私達この活動を24時間365日絶え間なくしていて、この活動が行われている状態が生であり、完全に停止した時が死の状態と言えるでしょう。単に呼吸や心臓が止まった状態を指すわけではありません(確かに呼吸や循環が止まってしまえばやがては完全な死に至るのですが)

石ころやコップなどは基本その組成成分は常に同じで、そこが生物と無生物の違いです

私達人間はその生命活動を継続するためにいろんな臓器において様々な機能を有しています。もし身体の中で、何かしら深刻な臓器障害が起きた場合、トータルでそれが維持できなくなってしまいます。

だからこそ医療はその大事な生命活動を維持しつつ、その障害を取り除くことが目的です。

救命救急の現場では、迅速な対処が必要となるし、重篤な場合、全身の生命活動を持続的にサポートするインテンシブケアが必要になります。そう言う医療を施して、自力で生きていけるようになった時に患者さんは助かります。

ここが医療をする上での大前提になるのです