新宿NSビルスカイクリニック

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癌の本質は治らない傷である

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以前に別のサイトにも書いたことがありますが、癌の本態は治らない傷です(unhealing wound) 先ず自分の身体の中から、いくつかの段階を越えて制御不能な癌細胞が生じます。この細胞は、発生組織固有の機能を果たさず、セルフコントロールが効かずに無限増殖をします。また環境や状況によってその形や性質は様々に変化していきます。

さらに厄介なことが、癌は単に増えるだけではなく、周囲に浸潤したり、リンパ経路や血管経路で他臓器に転移し、いろんな臓器機能を障害することが大きな問題です。

しかし冒頭にも書きましたが、癌は単に癌細胞によるものだけの問題ではありません。癌の組織の中には、いろんな宿主の細胞が入り混じっています

いろんな炎症を起こす免疫担当細胞、線維化を起こす線維芽細胞、酸素や栄養を送るための血管新生細胞などなど、癌細胞だけではなく、宿主の正常?細胞がいろんな応答反応を起こしながら、癌の組織を形成しているのです (the interaction between cancer cells and host cells) 

この私達の身体にとって有害な反応をどうコントロールしていくかが癌治療の一つのポイントだと思います。そこにおいて、化学療法が単に癌細胞をやっつけるということではなく、こう言った癌に関する反応に作用していくのか?ということに関してもこれから検討していく必要があるでしょう