新型コロナウィルス感染症の治療について
COVID19診療は診療科や医療施設の規模に関わらず医療者にとって、とても重要な課題ですCOVID19の治療に関しては、いくつか新しい薬剤が開発され、その効果効用についても明らかになってきました。今回、実際に使われる治療薬についてまとめてみました。
COVID19の治療のキーポイントはとにかく重症化させないことにあります。一度重症肺炎や多臓器不全を引き起こすと治療が非常に困難になります。それを踏まえた上で常に重症化を睨みながらCOVID19に感染した患者さんが、どんな状態にあり、その時々で、具体的にどのような治療薬をオンしていくのか?と言うところがポイントになると考えています。
【軽症 ローリスク群】
@ 対象療法 基本風邪診療と一緒、抗生物質は使用しない # 他者に移さないように注意
【軽症 ハイリスク群】
@ 対象療法
@ 抗ウィルス薬投与の検討
〈 経過 厳重注意観察〉
# ハイリスクの患者さんは、とにかく重症化を予測することが重要です。重症化は5-7日以降に起きやすいことが言われており、発病後は常に患者さんの状態(特に呼吸状態)の変化に注視する必要があります。
@重症化予防治療
①ステロイド薬投与
ステロイドは炎症反応を抑える有用な薬剤ですが、その投与量と投与方法に関してはその時期において注意が必要です。軽症の感染早期には
ステロイドの吸入薬の使用が考えられます
②抗体カクテル療法
ロナプローブはCOVID19の治療に有用であり、重症化リスクの高い患者さんへの使用適応が考えられます。
【中等症】
@ 対象療法 抗生物質の使用は要検討
@ 抗ウィルス薬投与
@ 早期におけるステロイド吸入薬投与
@ 重症化リスクがある場合、早期にロナプリーブ投与
@ 感染中期におけるステロイドの全身投与(デキサメタゾン6mg)
@IL-6阻害薬
【重症】
重症肺炎、サイトカインストーム、多臓器不全に対する治療 (詳細については割愛)