新宿NSビルスカイクリニック

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慢性鼻炎の治し方 17 ステロイド内服薬(2)副作用

ステロイドはアレルギーや炎症を抑えたり、ショックに対応したりするいいお薬ですが、その分、使用に際してはその副作用に留意して注意深く使用しなければなりません。

その副作用について簡単にまとめていきたいと思います、

先ず一般的に見られる症状としては、むくみやムーンフェイス、ニキビ、食欲増進、ミオパチーや多毛、生理不順などが見られます。

またその薬理作用より、糖質代謝に影響を及ぼし、血糖上昇を引き起こしたり、電解質バランスを崩していまうようなこともあります。

また消化管(胃や十二指腸)潰瘍を引き起こしたり、骨代謝に作用すると骨粗鬆症の原因にもなります。

次に感染症の問題です。ステロイドには免疫抑制、抗炎症作用があり、顆粒球機能低下、細胞性免疫&液性免疫低下を引き起こすため、いろんな病原体に罹りやすくなります。

ステロイドの投与中はリステリアやレジオネラや結核、非定型抗酸菌などの細胞寄生細菌(クラミジアも?)ウィルス、真菌、など普段罹らないような日和見感染にも注意が必要でしょう。

そして最後に注意しなければならないのが、ステロイドの長期投与による副腎機能不全です。少しの量のステロイド(プレドニン換算で1日10mgくらいでも)でも数ヶ月飲み続けると自分の副腎が生理的なホルモンを作らなくなってしまいステロイド剤を中止すると副腎機能不全(重篤な症状)に陥ってしまう危険性があります。

こう言ったことを書くとステロイドは怖い薬だから使えないと思われがちですが、そうではありません。

どんな薬においても、いい作用と副作用があります。ステロイドにおいても然りで、その特性を知り、メリット、デメリットを熟知し、何の目的で、どれくらいの量をどれくらい使うのか?どのような投薬調整をするのか?また実際にどんな副作用に注意してフォローすべきなのか?それらを十分に注意して、使えばとても有用な薬です。

次に実際のステロイドの使い方について紹介します