極楽寺クリニック講義 その5 いい死に方について
皆さんこんにちは!今回は医療や健康の話題ではなく、いきなり重たいテーマのお話です。
皆さん誰もが、できれば末永く健康で、元気に生きたいと思いますよね。でもどんな人にも必ず死は訪れます。
私達自身、私達の大事な家族や友人、知人も平等にいつかはこの世からさようならをする瞬間が来るのです。
では、その時をどのように迎えたらいいのでしょうか?また自分が本当に納得するような死に方はあるのでしょうか?
正直私には完璧な答えはありません。
生物は最後の最後までなんとか自分を維持しようと生命活動をする力を持っています。
しかし、今の医療ではコントロールできないような病気になったり、年を重ねて寿命を迎えた時に、その
大事な生命活動が継続できず、息を引き取ります。
医療は何かしらの病気を取り除いたり、上手くいかなくなった臓器機能を補助することはできても、自力で生きるような命を根本から与えることはできません。
だからこそ、その最後の時に、どのような医療やサポートを施していくのか?でその人の最後の在り方が大きく変わってきます。
私達医師の仕事は、あくまで治る病気を治したり、その人の辛さや苦しさを緩和したり、生きるサポートをすることです。決してその人の生の尊厳にまで立ち入ることはできません。
今まで医者として、たくさんの患者さん(人)の最後に立ち会ってきました。
その中で、生はあくまで、その人のものであって、その人が納得して使うものであり、自分の生を燃焼できた時に、心残りがなくなるのかな?と身近で感じました。
この答えはわかりません。これからも永遠にわからないかもしれません。しかしこの怖くて重たいテーマから逃げることなく真正面から受け止めて生きていきたいと思います。