新宿NSビルスカイクリニック

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抗ガン剤とその効果判定試験について

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癌に対する抗ガン剤にはいろんな種類がありますが、基本的には、遺伝子や細胞内代謝に障害を与える細胞毒性を持つ薬剤です(それ故に抗ガン剤は癌細胞だけではなく、正常細胞にも少なからずダメージを与えてしまいます)

https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy.html

また抗ガン剤の効果判定をするためにはいくつかの試験があるのですが、細胞レベルでの試験においては、癌細胞を培養し、そこに濃度勾配をつけて抗ガン剤を投与し、癌細胞の増殖抑制や細胞障害性をいろんなアッセイ(MTTアッセイやATPアッセイなど)で評価する方法が一般的です。

私もいくつかの抗ガン剤を用いて何回もこのアッセイを行ったことがありますが、この実験においては投与する抗ガン剤の濃度が、かなりの高濃度であるのことと、意外に新しく開発された抗ガン剤より昔からある抗ガン剤((アルキル化剤など)の方がシンプルに細胞障害性が強いということに何処か違和感を感じました

つまり作用機序でうたわれているような効用効果や実際の癌細胞に与えるダメージは実際には目に見えにくく、生きた動物レベルの実験においては、さらに、実際のところ生体内において抗ガン剤が癌にどのような効果を示しているのか?非常に分かりにくいということです。

これが抗生剤などの他の薬剤と大きく異なる点であり、化学療法を考える上で複雑なポイントだと思います