風邪を診る⑨ リスクファクターについて
これから風邪を引いた時に注意すべき要因 (リスクファクター) についてお話しをしたいと思います、私の私見としては、その危険因子は正に昨今問題となっている新型コロナウィルス感染症のリスクファクターと類似していると考えています。
〜 新型コロナ感染で挙げられている危険因子
⑴ 年齢:年齢が最大の重症化リスク因子
*60歳以上はリスクが上昇し、70歳以上の方はやはり注意が必要かと思われます。
2) 重症化しやすい背景・基礎疾患
以下のような状態の人は、年齢に関係なく新型コロナに感染した際に重症化のリスクが高くなりると言われています。
○ がん:重症化リスク3.6倍
○ 慢性腎臓病:入院リスク増加
5.7倍
○ 固形臓器移植による免疫不全状態:致命率上昇
○ 肥満(BMI30以上):入院リスクが2.1倍、死亡リスクが1.5倍
○心不全、冠動脈疾患、心筋症などの重篤な心疾患:重症化リスク3.4倍
○ 2型糖尿病:重症化リスク2.3倍
○ 喘息(中等症・重症):人工呼吸器装着期間の延長
○ 脳血管疾患:重症化リスク1.8倍、死亡リスク2.4倍
○ 高血圧症:重症化リスク2倍、死亡リスク2.2倍
○ 血液移植・骨髄移植、原発性免疫不全、HIV、コルチコステロイドの使用、その他の免疫抑制薬の使用による免疫不全状態:潰瘍性大腸炎患者のうちステロイド使用者で死亡リスク6.9倍
○ 肝疾患:肝硬変の重症度に伴い死亡リスク増加(最大28倍)
○ 妊娠:1.7倍人工呼吸器が必要になる
○ 喫煙:重症化リスク1.9倍
* CDC. Coronavirus Disease 2019 (COVID-19). People with Certain Medical Conditionsより
風邪に関しても予めこれらのリスクファクターをチェックして、注意することは大事だと思います。健康で、強く元気に生きていくためには先ず自分自身のことを知ることが基本です。