風邪を診る ③ 風邪を引き起こすウィルスについて
風邪と言う病気を引き起こすのはウィルスです。ウィルスが飛沫感染や糞口感染などの経路で体内に入り、感染が成立すると鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、のどの痛み、痰、だるさ、発熱、目やに、関節や筋肉の痛み、頭痛などいろんな症状が現れます。
これから、かぜの原因となる7つのウィルスとその症状について紹介したいと思います。
(かぜを引き起こすウイルスとして、ここではアデノウイルス、コクサッキーウイルス、RSウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルスの7つを挙げ、それぞれのウイルスにより生じやすい症状を述べていきます)
※ 下記の「%」は、症状の頻度(起こりやすさ)を示したものです
(1)アデノウイルス:プールて感染するプール熱として知られていますがそれ以外でも感染します。感染の症状としては、のどの痛み95%、咳80%、鼻水・熱70%、だるさ60%、結膜炎15%。鼻づまりは起こりにくい。
(2)コクサッキーウイルス:ヘルパンギーナや手足口病の原因ウィルスとして有名ですが、風邪や無菌性髄膜炎の原因となります。
感染の症状としては のどの痛み65%、咳60%、鼻水75%、熱35%、だるさ・結膜炎30%。鼻づまりは起こりにくいと言われています。
(3)RSウイルス: 秋から冬にかけて流行する風邪を引き起こす一般的なウィルスとして知られています。終生免疫ができることはなく.抗ウィルス薬は存在しません。一部の症例においては重症な呼吸器感染症を引き起こすことがあります。具体的な症状としては、のどの痛み90%、咳・だるさ65%、鼻水80%、鼻づまり95%、熱20%。結膜炎は起こりにくい傾向があります
(4)エコーウイルス:のどの痛み60%、咳50%、鼻水99%、鼻づまり90%、熱10%、だるさ45%。結膜炎は起こりにくい。
(5)ライノウイルス:春や秋に流行する風邪の原因として一般的なウィルスです。100種類以上の血清型があり、ワクチンを作ることは困難と言われています。具体的な感染症状としては、のどの痛み55%、咳45%、鼻水・鼻づまり90%、熱15%、だるさ40%、結膜炎10%。などが見られます。
(6)コロナウイルス:言わずもがな、今問題となっているCOVID19やSARSやMARSもコロナウィルスの一種類です。通常のコロナウィルスは風邪の原因となる代表的なウィルスで、感染の症状としては、のどの痛み55%、咳50%、鼻水・鼻づまり90%、熱15%、だるさ40%、結膜炎10%などが見られます。
(7)パラインフルエンザウイルス:のどの痛み75%、咳50%、鼻水・鼻づまり65%、熱30%、だるさ70%、結膜炎5%。
こう見てみると、一概に風邪と言っても、その原因になるウイルスは数種類あり、ウィルスによって、感染によって見られる症状や病態にも違いがあることが分かります。