慢性鼻炎の治し方 9 粘膜の病変について
内視鏡検査で直接鼻腔の内腔、粘膜の状態を観察すりことは慢性鼻炎を診断する上でとても有用な検査です
しかし私個人としては慢性鼻炎のような病気の場合、その特徴的な所見を見つけることは簡単ではないように考えています。
私は今まで、鼻腔のみならず、消化管(胃や腸)や気管やその他多くの人の身体の内腔の部位(粘膜に裏打ちされた場所)を観察してきました。
昨今の内視鏡機器は光学技術の発展に伴い、微細なところに至るまで見えるようになりました。
特にできもの(腫瘍)については、かなり微小なものまで見つけられるようになりました。
しかし慢性炎症に関しては、必ずしも、全ての症例で、これっと言う決め手になる特徴的な所見がないことが多いのです。
急性炎症のように明らかな粘膜の強い変化があれば別ですが、慢性炎症の場合、その程度にもよりますが、発赤や浮腫みなど炎症の所見はそれほど強くないでしょう(ピロリ菌感染による慢性胃炎などは粘膜の発赤や萎縮などの特徴的な所見とは別です)
そう言う意味において、慢性鼻炎の場合、内視鏡検査で診断することは難しいと考えています。