慢性鼻炎の治し方 12 薬剤編 抗ヒスタミン剤(1)
さあこれからアレルギー性鼻炎(花粉症)の治療について具体的な話を始めたいと思います。
第1回は抗ヒスタミン剤についてのお話です。
ヒスタミンは1型アレルギーの主役とも言えるケミカルメディエーターです。アレルゲンによる免疫作用(IgE抗体)が粘膜付近にいる肥満細胞を刺激をして、ヒスタミンが産生されると言われています。
ヒスタミンは体内で作られる活性アミンで、
いろんな臓器において多種多様な働きがあります。
(その働きは受け手側の細胞にヒスタミンの受容体があって、その受容体を持つ細胞に作用して、特異的な反応を起こします)
アレルギー症状に関連するような血管拡張や血管透過性の亢進や平滑筋の弛緩や膜分泌亢進作用
消化管においては胃酸分泌亢進作用、また神経組織においては、意識覚醒、学習能力に作用したりもしています。
普段私達がアレルギー症状を抑えるために使用しているのはこのヒスタミンの受容体H1を特異的にブロックする薬です(因みに胃潰瘍の治療に使うのはH2ブロッカーです)
昔の抗ヒスタミン剤は神経細胞の受容体H3にも作用してしまうため眠気などの副作用がありましたが、今の新しい世代の抗ヒスタミン剤はその眠気が出にくくなっています。