新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

薬でリセットする考え方

世の中には、たくさんの病気があり、それに対していろんな薬があります。

薬によってその効果効用も違いますが、薬は万能ではありません(薬で全ての病気が治り、パーフェクトなコンディションができるわけではありません)

私達の身体こそがパーフェクトなのです。

私達の身体は生命として常に外界と交流して、いろんな変化に対応しています。

しかし何かの原因で心身にトラブルが生じた場合、その対応が上手くいかなくなります。

不安の取り除き方

またこんな書き込みをすると、お前それでも医者か?といろんなところから非難が出るかもしれませんが、敢えてこの問題に対して、私の個人的見解をど真ん中直球で投げ込みたいとます(うつ病など明らかに精神的疾患のある方は専門医の診療を受けて下さい)

このことに対してポイントとなる人間の本質は二つあります。それは

1.生きている人はなかなか死なない。

2.人は誰もがいつかは死ぬ!ということです。

大体、不安自体も実は大したことなく自分自身が作り出している事が多いのではないでしょうか?余計な事を考える時間があるから余計なことを考えてしまうのです。

今、目の前にあるミッションに生き残りをかけて必死に闘っていたら不安なんて考える暇ないでしょう!

でも、もしかしたらそれだけ世の中が豊かになったって言うこと?

だったらゆとりなんか考えないで日々全力で生きた方がいいのかも?

なぜなら、私達の身体はその時その時をしっかり生き伸びていけるようにできているのだから。

 

 

心身の整え方

心身の整え方 これはズバリ生活を正すことから始まると思います。

生命は、周りの環境に適応する能力を持っています。しかしなんらかのストレスやトラブルで体調を崩してしまうと、いろんなことに対応ができなくなります。

それはメンタルなものかもしれませんし、身体的なものかもしれません。

 

 

女性の自己防衛システム

http://medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-140716.pdf

 

以前アメリカの科学雑誌のPNASに女性の膣内における常在細菌叢に関する研究論文を読みました

http://www.pnas.org/content/108/Supplement_1/4680

女性の皆さんには、是非この内容を知っていただきたいと思います。女性は感染の危機にある性器に関して、自分を守る素晴らしい防御システム(膣内自浄作用)を有しています。

膣内は、決して無菌ではなく、たくさんの細菌が生息しています。しかしその細菌叢は決してバラバラではなく、ある一定な状態を保っています。膣内は女性ホルモンの作用で、粘膜が絶えず変化しており、その粘膜内にはグリコーゲンが豊富にあり、乳酸桿菌(デーデルライン桿菌)が数多く生息しています。この細菌が優位に生息していると膣内環境は、かなりの酸性状態(pH4〜5) にあり、他の細菌が繁殖しにくいような環境を自ら整えています。

しかし、ホルモンバランスを崩したり、免疫状態が悪くなったり、また長期の抗生剤を投与したりすると、この細菌叢バランスを崩してしまい、いろんな細菌が繁殖し、膣カンジダや細菌性膣症などになり、またその他の感染症にも罹りやすくなることが伺われます。

それ故に女性の方が、日々健康で、性感染症にかからないようにするためには、この正常細菌叢を意識して、いいコンディションを整えることが大切です。

洗浄を始めとする不用なケアや抗生剤の投与は、返っていい状態を壊し兼ねません。

私達が、自らの身体能力の凄さを知り、それを正しく使うことにより、よりタフで健康的の身体を手に入れることができるのです。

 

常在細菌叢の不思議

このシリーズのお話が続きますが、私達の身体の中における細菌叢のバランスは本当に不思議です。

皮膚や気道や腸、果ては生殖器に至るまであらゆるところに細菌は存在していて見事なバランスを保って存在しています。

体調を崩して細菌叢が乱れても、また元のように戻るようになっています。

確かに私達の身体は常に一定の環境を保つように働いていますが、私達が微生物の動きまで完全にコントロールすることはできません (大体別の生命体なのですから) 各臓器において細菌が一定の割合を保って一定の数を保って生息しているということは驚くべきことです。

そう考えるとやはり私達は健康的で強い身体を作るためには細菌を敵対視するのではなく、彼らを味方にし、ベストな環境を整え、細菌達に頑張ってもらうと言う考え方もありではないでしょうか?

 

アトピー性皮膚炎と皮膚の常在細菌叢との関係

https://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2015/osa3qr000000t3i7-att/20150422_nagao.pdf

つい数年前、慶応義塾大学の皮膚科の先生が、アトピー性皮膚炎と皮膚における黄色ブドウ球菌の関連についての研究を発表されていました。ある意味表皮にいる常在菌である黄色ブドウ球菌の状態が、皮膚の炎症や私達の免疫応答に関わっていると言うこと。今までアトピー性皮膚炎は私達の体内の免疫機構に問題があると言うことから、その治療に関してはステロイドを始めとする、いろんな免疫抑制剤の使用がメインでしたが、皮膚における常在細菌叢を見直し、その環境を整えるという新しい見地が伺われるのではないでしょうか?

まだまだ未解決な問題ですが、興味深いトピックですね