腹痛診療10 虫垂炎の思い出
虫垂炎は腹痛の原因となる代表的な病気の一つです。これから私自身の診療経験を通して、虫垂炎に関する腹痛についてお話をしたいと思います。
虫垂炎の症状やサインについてはいくつかありますが、患者さんは先ず最初にお臍のあたりが痛いと言われることがあります(虫垂は腹腔神経の支配を受けています)、そのあと炎症が周囲に波及してくると右下腹部痛を起こします。
それが広がると汎発性腹膜炎になり、もし破れたりしたら大変なことになります(死に至ることもあります)
虫垂炎の診察においては、ズバリ🔥手術をした方がいいかどうかの判断が求められます、
外科の時の経験でも、実際お腹を開けてみたら大したことないケースや、そうかと言ったら意外に虫垂が赤く腫れあがって炎症を起こしてい
るケースがあったり、また少し濁った腹水があったり、大網が虫垂付近に癒着してきているようないろんな症例がありました。
またその中では印象に残ることもいくつかありました。
一つの例では来院時に軽くお腹が痛いくらいの患者さん(血液検査は正常)が数時間後に激烈な腹痛に変わり、緊急手術をしたこともありました(糞石が嵌頓していました)
今ではCT検査が普及して容易に受けられるようになって、CT検査をすることでかなり診断をつけられるようになりました。
しかしだからといって身体所見を取ることを疎かにしたら痛いしっぺ返しを受けることになると今でも思っています。