婦人科診療1 低用量ピル外来 低用量ピルについての説明
今回は低用量ピルに関してご紹介します。
低用量ピルとは低用量の卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが含まれる薬剤です。
この薬剤を継続的に内服することにより、女性本来が持っている女性ホルモンに関する内分泌機構を調節することができます (排卵抑制作用)
低用量ピルはその排卵を抑えることにより高率に避妊効果があり、また月経(生理)に関連して起きる女性の心身のトラブルに対して症状を抑える作用があります (月経困難症や過多月経、ホルモンバランスの不調による月経不順や不正出血、生理の前に心身の状態が悪くなる月経前症候群などの症状緩和目的として使用できます)、また子宮内膜症のような病気の治療薬としても用いられます。
低用量ピルの処方に関しては、排卵が見られる性成熟期 (15歳〜40歳くらい)の女性が適応となり、上記に書いたように、いい作用だけではなく、種々の副作用があります。
その副作用の一つが血液の凝固系が亢進して血管内に血栓ができる血栓症です。血栓が肺の血管にできると重篤な状態に陥ることがある怖い病気(肺血栓症)です。
このように低用量ピルは性成熟期の女性の健康にとってとても有用な薬ですが、その処方、使用においてはそれゆえに低用量ピルを処方する場合には、十分な検討と注意が必要になります。