新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

風邪を診る(14) 咳嗽薬 去痰剤

風邪をひくと上気道に炎症を起こし、咳や痰が出やすくなります。

症状にもよりますが、止まらない咳は辛い症状であり薬の助けが必要になることがあります。

ではその対処法についてまとめていきたいと思います。

まずその痰や咳がどんなものか?より具体的に問診をする必要があります。

また痰が多いような場合、できたら痰の顕微鏡による観察(グラム染色)が望まれます。

(もしかしたら細菌性肺炎や咳喘息など別の病気ではないか?と言う鑑別が必要になります)

そう言うものがなく、風邪による一般的な上気道炎で咳が止まらない場合、気道を刺激しないこと、加湿、マスク着用などは基本ですが、症状を緩和するために薬の処方を考えます

去痰剤としてはムコダインが一般的です。

粘膜修復作用としてムコソルバンもありますが、その違いや明らかな効果についてはわかりません。

また咳についてはいろんな種類がありますが上気道炎の咳は気道の炎症刺激による収縮応答と考えられます。

これは生理的な現象なのですが、症状があまりに強い場合は患者さんは辛いので薬の助けが必要になります。

中枢性鎮咳薬としてはメジコンが一般的でしょうか、またそれでも効かない場合、麻薬性中枢性鎮咳薬としてリン酸コデインを選択します(使用量は1日3回1回20mgです。便秘の副作用に注意です) また症状によって吸入薬の使用と夜間就寝時に乾性咳嗽が強くなるような場合、交感神経の働きが弱まり副交感神経優位になったことが考えられることからホクナリンテープも有効かもしれません。

漢方薬は患者さんの症状によりますが小青竜湯などがメジャーですね (漢方は患者さんの証を診て、その状態にぴたりとくる漢方薬が当たれば効果はあると思いますが、人によって差もありクリアカットにはわかりにくいところもあります)

しかし薬を飲んでいても、症状が改善せずにあまりに変な咳が続く場合はやはり病院に通院し、呼吸器に何か他の病気がないか?チェックすることが必要です。

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