風邪を診る(13) 解熱鎮痛剤の選択
風邪をひくと熱が出たり、身体の節々が痛くなる症状が出ます。
その程度にもよりますが、発熱はウィルスが体内に侵入したことに対する生体反応(免疫反応)であり、無理に解熱させる必要はありません(嵐が過ぎ去るのをジッと待つだけです)
しかし38.5度を超えるような場合には、体内の酵素反応が上がり、代謝は亢進し、身体はしんどくなることでしょう(小児の場合、熱性痙攣などを引き起こします)
そのような場合、体感クーリングをしたり、解熱鎮痛剤の使用を考えることになります。
それでは具体的にどのような解熱鎮痛剤があり、それを選択していくのか?まとめていきたいと思います
これは小児用バファリンに含まれている成分で、解熱鎮痛剤の基本のような薬剤です。
副作用が少なく、使いやすい薬です。
ある程度の量が必要であり、体重50kg以上なら1回500mg 1日3回使ってもいいでしょう。
また頓服で追加することもできます。
これも一般的な解熱鎮痛剤です。外傷や関節痛や筋緊張性頭痛にも用いられます。
効果はありますが、ロキソニンを含めてNSAIDと言われる解熱鎮痛剤はその副作用に注意が必要です。特にアスピリンアレルギーの方には禁忌です。
これは②より解熱鎮痛効果がある薬剤です。
効果はあるのですが、それだけ副作用にも注意です。腎臓が悪い方、胃潰瘍がある方などは使用に関して検討が必要です(腎機能障害には要注意です)
*本当に具合が悪い人は状態が急変する危険性があります。腸閉塞症で脱水状態のケースではショック状態に陥ることも
因みに解熱鎮痛剤の用法として、内服だけでなく、座薬もあります。
座薬は直腸粘膜から吸収されるため、早く高い効果が見込まれます。
*そう言えば医者になったばかりのころ、ボルタレンズポを多用していて、胃潰瘍になった症例が見受けられました。その頃はようやくH2ブロッカーが普及され始め、まだビロリ菌の問題も明らかになっていない時代でした。
医学、医療が進歩して、胃炎、胃潰瘍のメカニズムが明らかになり、胃潰瘍の薬が開発され、そのトラブルは軽減されました。