女性診療 その1 女性ホルモンの重要性
女性自身をアレンジする女性ホルモンについての基礎知識
概要
女性の身体は男性と異なり月経を始めとして、生涯を通して心身がダイナミックに変化しています。またそれ故にデリケートであり、ストレスやいろんな影響で体調を崩しやすくなります。
女性の身体は第二次性徴期以降、女性ホルモンの作用によって特徴づけられ、性成熟期においては月経や妊娠などの大事な機能に関与し、更年期や閉経期、老年期においては女性の心身の変化と関連しています。
この大事なホルモンはそのバランスを崩すと、月経不順や不正出血を引き起こし、それが不妊の原因にもなります。また月経の際においては生理痛や月経前症候群などの不調が見られ、更年期障害や老年期における心身の不具合など、女性ホルモンは様々な女性の心身のトラブルの原因にもなっています。
しかしこの大事な女性ホルモンが発見され、医療に実用化されるようになったのは近年に入ってからのことです。
1939年、ドイツの生化学者 アドルフ ブーテナント博士が尿中からエストロゲンやアンドロゲンなどの性ホルモンの分離、結晶化に成功し、このホルモンを見つけました(のちにノーベル医学生理学賞受賞)
その後このホルモンの様々な生理機能が解明され、いろんな病気の原因になっていることがわかり、今日では臨床な治療にも幅広く使われるようになってきました。
昔はこのような知識がなく、女性の体調はあくまで自然に任せるしかありませんでした。しかしこれからの新しい時代においては、女性が、
この女性ホルモンのことを正しく知り、適切に活用することで、いろんなトラブルを回避し、女性の生活の質(QOL)をよりよく改善できる可能性があります。
これからこの大切なホルモンについてのお話をしていきたいと思います。