新宿NSビルスカイクリニック

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抗がん剤について その2 総論

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私は化学療法のプロではありませんが、今まで抗ガン剤に関する基礎研究から、動物実験、実際、臨床での化学療法の実施をしてきました。まず最初に言えることは癌治療は、それ程シンプルでは無いと言うことです。悪性腫瘍の種類も白血病のような血液癌から、肉腫のような特殊な悪性腫瘍、そして肺がんや胃がんや大腸癌や膵臓癌、乳癌や子宮頸がん、体癌、卵巣がん、または腎がんや前立腺がんや膀胱がんなどの一般的な固形癌まで、またその患者さんの状態や病態(進行度)も症例によって様々です。ただ今の私に言えることは一般的な抗ガン剤(特殊な抗体や分子標的薬を除き)は基本生体にとって細胞障害性のある毒物です。だからこそ抗ガン剤で固形癌を完治するという目標の立て方には無理があります。特殊な場合を除き、あくまで腫瘍の増殖や転移などの進行制御が目的だと受け止めています。そういう意味からも、腫瘍が進行し宿主が弱ってきたような時に、きつい化学療法を行うとかえって予後が悪くなるケースが見られます。これから抗がん剤の種類、効果効用、いろんな種類の固形がんに対する化学療法についても提議していたいと思います。だからと言って一切の化学療法をしないで、いきなりビタミンの大量療法やエビデンスのない免疫療法に走るのも危険だと思います。私たちは、今の患者さんの現状をよく知った上で個別に選択をしていくのがベターなのかなと考えています。

Dr KAZ