諦めなければ道は開ける
私は今まで医療の現場で、厳しい状況に何度も直面してきました。今日はその一例を紹介致します
私が今から7〜8年前に西日本の小さな病院で働いていた時に、当時40歳代の慢性肝炎を患っている患者さんを受け持ちました。ある時、その患者さんが食道静脈瘤の破裂を起こして、ショック状態になり(内視鏡的に止血はしたのですが)末期肝不全に陥りました。黄疸が進行し、意識障害が現れ、やがて肝腎症候群を発症して、尿はシャットダウンになりました。しかし患者さんは生前、まだ生きたいという強い希望があり、肝移植手術も希望されていました。
そこで諦めることなく、最期まで、とことん治療を続けることとなりました
血液浄化を開始(持続的血液透析濾過をしながら血漿交換を繰り返しました)
感染対策をしながら、栄誉サポートもして、待ち忍びました。ご家族が高齢でドナーになれない為、死体肝移植に登録をしました。しかし状態は徐々に悪化し、度々消化管出血を繰り返し、その度ごとに止血を行い輸血をしながら待ちました。
さすがの私も、死体肝移植のレシピエント候補になるのは難しいので今回は厳しいか?と思っていましたが、頑張って生き続けている患者さんを見るたびにもしかしたらと思うようになりました。
患者さんの病状を移植ネットワークに適宜、報告をしながら医療スタッフの仲間と日々頑張って待っていたある日、一月ほど経って、移植ネットワークから、その患者さんが移植候補者になったと連絡がありました。
私達はびっくりしながら直ぐに準備をして、肝移植ができる大学病院に患者さんを搬送しました。
これは正に奇跡という確率です
移植手術を終え、2月ほどして患者さんが、病院に挨拶にきました。
肝移植は無事成功し、腎機能も完全に回復されたそうです
(肝腎症候群は肝臓が戻ると腎機能は回復するんだなと改めて分かりました)
正直、一番ドン底の時は、周囲の見方も冷ややかでした。私達の戦力は乏しいために、インテンシブケアのため、近くの高次機能病院に転院を依頼しても全て断られました。
しかし皆が最期まで諦めなかったことがこの結果に繋がったのです。
これは実例です。
医療だけではないですが、人生投げたらアカンですね