新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

ごはん食べよう科 臨床講座 第6回 食欲(5)

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昨今、いろんな遺伝子解析やたんぱく質分析の技術が進み、いろんな生態現象の原因物質や原因ホルモン、そして、それをコードしている遺伝子までわかるようになりました。

食欲に関しても同じです。ここでは摂食中枢に働くレプチンという比較的に新しいホルモンに着目しながら話しを進めていきましょう

食欲に関与する臓器としては、今まで挙げてきた脳(食欲中枢)、胃や腸を始めとする消化器、そして最後が今日お話する脂肪組織です。

私達が歳をとり、少しずつお腹の周りに付いてくるあの皮下脂肪です

私達が過剰に摂取した栄養は脂肪細胞内に中性脂肪として蓄積されています

私達が食事を十分に摂取するとこの脂肪細胞がレプチンというホルモンを分泌してくれます。このホルモンは満腹中枢に働き、食欲をブロックします。またこのホルモンは交感神経の活性作用も持ち合わせているようです

すなわちレプチンの作用は栄養を蓄える下流の脂肪組織が上位のセンサーにもう十分だよと知らせているかのような働きがあります

ところが過食から肥満が進むと、このシグナルに異常が見られるようになります。異常なレプチンが出てしまうためか?レプチンの受容体に何か異常が生じるためか?まだ正確なことはわかりませんが、レプチンのシグナリングが働かなくなるそうです。

そうすると、いくら食べても満腹することができず、いくらでも食べてしまうとのことでした

まさか脂肪組織にそんな働きがあるなんてびっくりですね

皆さんも皮下脂肪は適正にして、感度の高い身体を創りましょう