ごはん食べよう科 臨床講座 第4回 食欲(3)
さあ、更に食欲のメカニズムについてお話しを進めましょう
前回、食欲に関連する臓器を挙げましたが、意識として感知し、アクションを起こさせるのは、脳の視床下部にある摂食中枢です。ここでいろんなトランスミッター(糖、遊離脂肪酸、様々な消化器ホルモンなどの影響で神経伝達物質が作動し、食欲に関する反応が起きます)
私としては、そこを刺激する因子を大きく二つに分けられるのではないか?と考えています。先ず一つは外的刺激因子、これは、いろんな食べ物に関する外からの情報です。食べ物の見た目や匂い、またいろんな人の話からも脳に記憶されている情報が呼び起こされ摂食中枢を刺激して美味しそうとか、食べたいと思わせるのです。またもう一つは内的刺激因子です。これは身体の中の栄養状態やその時の身体の調子を示すような内からの情報です(血糖値や血中遊離脂肪酸、またグレリンをはじめとする消化管から出る消化管ホルモンなど)これらは自分の内なる声と言ってもいいかもしれません。
私達は常にこの二つの因子に刺激されて、摂食中枢が作動し、それによって、脳がいろんな司令を下しているのだと考えています
だからこそ、この大事なセンサーである摂食中枢に何か不具合が起きた時には、食欲に関する顕著な異常が見られるのだと思います