臨床医学談義 その1 健康や病気の定義について
今回は健康や病気の定義についての話をしたいと思います。
日本の厚生省や世界保健機関WHOには健康の定義が明記されています
また病気に関しては、様々な医学書の教科書にいろんな病気に関して、その検査方法やクライテリアそしてその診断基準がしっかり書いてあります
医療は自然科学である医学に基づいて行なわれるためここの軸がぶれることはそうはありません。
しかし人間は百人いたらその個性は百通りあり、その人にとっての健康もいい状態も千差万別です
そう言う意味でも、真の健康の定義というものはまだまだ不確定なのもしれません
(人は社会で生きている動物なので、単に身体的なコンディションだけではなく、メンタルコンディションや家族や友達をはじめ人との関係、仕事場における健全な状態など、様々な要因が絡み合っています)
そう考えてみたら、検診でいろんな検査結果が正常だからといって、その人が完全な健康とは言えないかもしれませんね
私たち医者は豊富な医学知識や確かな技術スペックを常に研鑽しながら、絶えず、その患者さんにとっての真の健康とは何かと言うことを考えで、医療の手段を選ばねばならないと考えました