新宿NSビルスカイクリニック

医学に基づいて食を中心として日々の生活から健康を考えるブログ

化学療法に関しての考え方

化学療法の専門家の先生方からすれば至って当たり前の事でしょうが、改めて化学療法を施行する際に考慮すべきことについて考えてみました。

私が着眼する点として、先ず最初に 1. 癌腫のタイプ (病理学的組織型) と進行度(浸潤、転移、播種の状況) 次に 2. 癌と宿主の反応 (炎症や免疫反応)、 最後に 3. 宿主のコンディション(全身状態) があります。

皆さんもご存知のように癌腫には抗ガン剤がよく効くタイプと効かないタイプがあります。また当然、その進行度によっても、化学療法の適応とプロトコールは大きく変わります。同じ消化管の癌であっても、扁平上皮癌が多い食道癌は放射線化学療法が効果的ですが、スキルス癌をはじめとする胃がんには全く効きにくい印象があります。また次にその癌腫と宿主のinteractionにも注意が必要でしょう (ただ現時点で、腫瘍と免疫の関係はまだ基礎研究や臨床の現場においては確立されたものはないように思われます。そして最後に、患者さんの状態、これは、元気度、栄養状態、その他の各臓器機能に関してのことです。抗ガン剤は多かれ少なかれ正常機能にもダメージを与えてしまうので、化学療法のさじ加減は非常に重要だと思います。

本来はもっと細かに患者さんの個別の状態に合わせ、微妙な調整がいると思いますが、実際は化学療法はほぼ決められたプロトコールで行なわれることが多いようにも伺われます。これはどうしても、抗ガン剤な大規模スタディの結果からは逸脱しにくい事情があるように思われます

金縛り

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今日は金縛りについてお話をしたいと思います。皆さんは金縛りになったことはありますか?私は疲れているとしょっちゅう金縛りになってしまいます。

これは決して霊的なものではなくて、脳が半覚醒しているような状態だと考えています

よく寝入りの時に起きやすいですが、意識があって身体が全く動かせない状態に陥ります。呼吸筋さえも自分の意思で動かせないので、その時には息苦しさも感じます。

中途半端に意識はあるので、その間、もう二度と動けなくなるのではないか?このまま死んでしまうのではないだろうか?などいろんなことを考え、凄い恐怖心に襲われます。

金縛りにあった時には何とか身体を動かせようと、気合いを入れても身体はピクとも動きません。あとは自然に解けるのを待つしかないのです。

しかし最近それを解いてくれる唯一の方法が現れました。

それは私の妻が私の金縛りを解くことができるのです。

妻と一緒に寝ていて、自分が金縛りになった時、隣で寝ている妻に助けて!とサイン?を送ると必ず妻はそれに気づいてくれるのです。そして、ぬぬたん、ぬぬたん大丈夫?と私の身体(手足)を揺すったり、動かしてくれると、ふっと金縛りが解けるのです。このことはたまにではなく、一緒にいる時は金縛りになると大体、妻が助けてくれます。

これの不思議なことは、私が金縛りになって必死にサインを送っていることを何故、妻が気付くのか?テレパシー?(自分が寝ている時にも気づいて起きてくれます)また私の身体を外から動かすだけで、何故ふっと金縛りが解けるのか?そのメカニズムがとっても不思議です。

この不思議な現象もう少し解明してみたいと思います。

それにしてもこう言う所でも妻に助けられています。

 

 

化学療法について 続編

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以前から書いているように、固形癌に対する化学療法(抗ガン剤)も、その種類やできる臓器、進行度によってその効果も全く異なります。頭頸部や消化器癌においても、咽頭がんや食道癌などの扁平上皮癌は放射線化学療法がよく効く印象があります。しかし、胃がんや大腸がんや膵臓がんは基本腺癌なので、抗ガン剤や放射線が効きにくい傾向があります。だからこそ

医者の仕事

医者の仕事がの本質が人を健康にしたり、元気にすることだとしたら、私達がやれる仕事は無限大にあるのかも、ガイドラインに沿った診療は押さえながらも、その人その人の人生を活かせるような医療ができたら素敵ですね

医者の仕事とは?

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ふと先程、突然に私達医者の仕事とは、究極のhuman being arrangementではないか?と思いました。

私達、医者は、単に科学者でもないし、宗教家でもありません。

私達は人の身体のメカニズムや病気のことを知り、医術を通して人の人生に彩りを与えることができます。

でも人の人生に寄与できるってある意味プライスレスな仕事ではないでしょうか?

学術的な発見や、難易度の高い手術もあくまで人があってこそ価値のあるものだと確信しています。

これからこう言う考えを持って医療の仕事に望んで行きたいと考えています

癌の本質は治らない傷である

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以前に別のサイトにも書いたことがありますが、癌の本態は治らない傷です(unhealing wound) 先ず自分の身体の中から、いくつかの段階を越えて制御不能な癌細胞が生じます。この細胞は、発生組織固有の機能を果たさず、セルフコントロールが効かずに無限増殖をします。また環境や状況によってその形や性質は様々に変化していきます。

さらに厄介なことが、癌は単に増えるだけではなく、周囲に浸潤したり、リンパ経路や血管経路で他臓器に転移し、いろんな臓器機能を障害することが大きな問題です。

しかし冒頭にも書きましたが、癌は単に癌細胞によるものだけの問題ではありません。癌の組織の中には、いろんな宿主の細胞が入り混じっています

いろんな炎症を起こす免疫担当細胞、線維化を起こす線維芽細胞、酸素や栄養を送るための血管新生細胞などなど、癌細胞だけではなく、宿主の正常?細胞がいろんな応答反応を起こしながら、癌の組織を形成しているのです (the interaction between cancer cells and host cells) 

この私達の身体にとって有害な反応をどうコントロールしていくかが癌治療の一つのポイントだと思います。そこにおいて、化学療法が単に癌細胞をやっつけるということではなく、こう言った癌に関する反応に作用していくのか?ということに関してもこれから検討していく必要があるでしょう